臨床検査技師国家試験のおすすめ勉強法【微生物学編】

国家試験対策

臨床検査技師国家試験の中で、今回は「微生物学」の対策を書いていきます。

微生物学は暗記科目のイメージが強いです。私が学生の時も、生化学のように理論を覚えながら勉強するというより、ひたすら暗記していた記憶があります。ただ、たくさんの細菌が出てきますし、薬剤など他の項目も覚えなければいけません。なかなか大変な教科ですよね。

この記事では、微生物学の対策はどのように進めていくのがおすすめなのかを書いていきます。

「優先して覚えるべき内容は?」

「微生物の勉強のコツは?」

こういった内容に触れていきます。

【勉強する順番】細菌の名前と特徴は優先的に

国家試験における微生物学の勉強を始めるなら、まずは「細菌の名前と特徴」を覚えていきたいです。

たとえば Staphylococcus.aureus なら「グラム陽性球菌でカタラーゼ(+)で、MRSAとも関連するな〜」という感じ。

最初に細菌の名前・特徴を覚えておくと、そこからの勉強がスムーズになります。耐性菌や薬剤など他の項目も、ほとんどが個々の細菌と関連していることがその理由です。

それぞれの細菌について「グラム染色が陽性か陰性か」「球菌か桿菌か」「その菌の特徴」などを押さえておきたいですね。

菌の特徴」には、各種テストにおける反応や培地への生え方(溶血性や遊走など)、培養条件(好気か嫌気か)などがあたります。

E.coli だったら「オキシダーゼ(−)、BTB寒天培地は黄色くなる」といった感じ。確認培地(TSIやLIMなど)の結果の暗記もマストですね。

微生物学の勉強方法

微生物学は覚える内容が多いです。全てを短期間で覚えることは難しく、テストで安定して良い点数をとれるようになるには時間のかかる科目だと思います。

ここからは、そんな微生物学のおすすめの勉強方法を書いていきます。

細菌は分類ごとに覚える

それぞれの細菌の名前は基本的な内容なので、一番初めに覚えていきたいところです。ただ、数が多いのでやみくもに覚えると頭がパンクしてしまいます。

そこでおすすめなのは、細菌の名前は分類ごとに覚えるという方法です。具体的には「①グラム陽性球菌」「②グラム陰性桿菌」「③グラム陽性桿菌」「④グラム陰性球菌」という分け方です。この方法で覚えるメリットは、形態を暗記しやすいということです。

グラム染色像は基本的な内容ですが、とても重要です。これを完璧にしておけば写真問題も解きやすくなりますし、問題を解く際の消去法にも使えます。

また、覚える順番は上の番号順がスムーズだと思います(これは私の感覚なので、参考程度に笑)。特に①と②(グラム陽性球菌と陰性桿菌)については、国家試験において重要な細菌が数多くあるので、重点的に勉強を進めるのがおすすめです。

確認培地の結果はとても大事

TSI培地やLIM培地などの確認培地の結果は、国家試験対策でとても重要です。関連問題が出題される頻度が高いからです。

この部分の勉強方法は、何度も繰り返し覚えることがひとつの方法です。しかし、ただ教科書などを何回も見ているだけでは頭に入りにくいと思います。

そこでおすすめの方法は、自分でアウトプットすることです。たとえば、紙やタブレットにそれぞれの細菌の確認培地での結果を書き出してみる、などですね。何も見ずに書くことができれば、その内容は頭の中に入っていることになります。

確認培地は、特に腸内細菌の勉強で重要です。実際の確認培地の結果を写真と照らし合わせながら覚えるのも、効果的ですよ。

薬剤は作用機序ごとに覚えたい

微生物学ではバンコマイシンやゲンタマイシンなど、薬剤のことも覚えなければいけません。薬剤についても、作用機序ごとに分けグループ単位で覚えておくと勉強しやすいと思います。

たとえば「細胞壁合成阻害」を機序とするグループなら、バンコマイシンやペニシリンなどがありますね。

過去問でも、薬剤に関する問題は作用機序と合わせて問われることが多いイメージです。そのため、薬剤を覚える時は作用機序とセットで勉強するのがおすすめです。

それに加えて、薬剤耐性菌の勉強も必要になります。こちらは、耐性菌か判定するための薬剤を覚えることが最重要です。

MRSAなら、オキサシリンとセフォキシチンがそれにあたりますね。

また、薬剤耐性菌を勉強する時は、名前の意味もセットで覚えておくと便利です。

MRSAなら“M:メチシリン”に“R:耐性(レジスタンス)”の“S:Staphylococcus.aureus”ですね。

頭文字には意味があるので、それをヒントに覚えるとテスト中でも思い出しやすいですよ。

インプット→アウトプットを繰り返す

微生物学は覚えられれば点に結びつきやすい科目だと思います。そのため、出来るだけ多く覚えた者勝ちだともいえます。

その覚えるという作業を効率的に進めるには、インプットしたらアウトプットするという方法がおすすめです。具体的には、自分が覚えた内容を何も見ずに一度書き出してみるという作業です(少し前にも紹介しましたね)。

そこで何も見ずに書き出すことが出来れば、学んだ内容は頭に入っていることになります。また、ただ書き出すだけでなく簡単にまとめられると理想的です(表にしてみるなど)。

他にも、学んだ内容を周りの友達に解説してみるという方法もおすすめです。勉強した内容を教えることは、その内容をきちんと理解していないとできません。裏を返せば、人に教えることが出来るということは、学んだ内容をちゃんと理解していることになります。

勉強を進めてインプットしたら、自分なりにまとめたり人に教えてアウトプットするという「インプット→アウトプット」の作業を繰り返すと、より効率的に覚えられるようになるのでおすすめです。

微生物学は効率的に覚えるのがおすすめ

微生物学は覚える内容がとても多い教科です。そして、理論と紐付けながらというよりひたすら暗記する、というイメージが強いです。

そのため、自分なりに上手く覚えられる(暗記できる)方法を早いうちに見つけることが大事だと思います。

その方法のひとつとして、インプットしたらアウトプットするという方法はおすすめです。自分で何も見ずにアウトプットする作業は、インプットした内容をきちんと覚えていないと難しいです。ただ、アウトプットできるようになれば、頭の中で整理して覚えられている証拠になります。そして、それだけの状態になれば、テストでもその分野の問題は解けるようになるはずです。

覚える内容が多く、途中で飽きてくることもあるかもしれません。しかし、覚えれば点につながりやすい科目でもあります。そのため、諦めず続けることが大事です。

もし飽きてしまったら、ちょっとだけ他の教科の勉強をして気分を変えるのも効果的ですよ。

◆関連記事:臨床検査技師国家試験の勉強方法まとめ(科目別)

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